冨永将大 博士(神戸大)
6月05日2限(54-302)
学術講演会(→ 早稲田大広報HP)
酵母人工プロモータのシンプルデザイン
微生物ものづくりの多くは,バクテリア(微生物)か酵母(真核生物) で行われる.とくに酵母は,人類が8000年おせわになってきたため,パスツールの時代から勢力的に研究されきた生物である.また, ヒトを含む真核生物のモデル生物として,医学・ 生物学研究者による,膨大な知見の蓄積がある.
にもかかわらず, その転写制御系などのラインナップは意外なほど少なく, 自由度の高い集積型合成生物学は困難であった.講演者は,「 大腸菌でできるすべてを酵母でもできるようにする」 をスローガンに, その転写プロモータの再デザイン技術を創ってきた.本講演では,氏の開発した真核生物のプロモータ開発プラットフォーム(→プレスリリース)の仕組みとそれがもたらした設計原理(→プレスリリース)について解説していただくとともに,氏の描く「酵母の大腸菌化」「酵母の ヒト化」という生物工学の未来像について語っていただきました.
質疑応答が50分も続く....
〜酵母のプロモータの強度や緊縮性はどのように決まっているのか?
〜研究者はどうして何十年も,ものすごく不自由な遺伝子発現系に甘んじなければいけなかったのか?
〜我々は,どこまで自由にそれをどこまリデザインできるのか?
〜なぜバクテリアにも人にも植物にもウイルスはいるのに,酵母にはそれがないのか....?
〜そして,,,,合成生物学者はどのように基礎微生物学に貢献できるのか..... ?
学生諸君も,研究者の人生について多くを学んでくれたはず.私は,梅野研出身者はどうして,かくも正しき研究努力ができるのか,この謎について考えていました.
あ,そうか.彼らの先生が優れた教育をしたからなんですね,
納得です.